書評:『盲ろう者の自立と社会参加』

愼 英弘  著

 「自立」という言葉を聞いて、何を想像するか。これは、個人によって異なると思います。私自身、「自立」ということばが、何をさすのかを考えてきました。この本を読んで、自分の中で雑然としていたこの言葉の意味が整理でき、納得できました。障害種別や個人個人の生活状況・背景によって「自立」の指すものが違う。また、自己決定を表現しにくい人にとっての「自立」とは何をさすのかということが。
 盲ろう者という言葉は、まだ認知度が低いように私は感じています。福祉関係の人間でさえ、知らないこともままあります。ましてや、生活状況や何が困難なのか、見えない・聞こえないことによる障害というものが、どういう状況を生むのか。この本を読んで、ひとりでも多くの方が、盲ろう者の方たちの状況を理解していただければと願ってやみません。
 障害者自立支援法が成立し、今後どう制度が変わっていくのか。制度の変更は、障害者の方たちの生活を直撃します。この本を読みながら、真の意味での、そして個人個人の「自立」が実現できるようにと祈りに近い気持ちをもちました。(K・H)


新幹社 2005年7月発行 本体価格2000円




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