■表紙 ピア大阪ニュースドリーム36号 2011年12月発行 イラスト: 今回のつぶやきコーナー、森 実恵(もり・みえ)さんのイラスト:2枚のもみじの葉の絵 -------------------------------------------------------------------------------------------------- ★内容★ ◎第17期ピアスクール修了報告! ◎2011年度 上級手話講習会報告 ◎第3期知的障害者ピアカウンセリング講座報告 ◎つぶやきコーナー 森 実恵(もり・みえ)さん ※このニュースドリーム36号では、大見出しの先頭には■、小見出しには◎を付けています。 -------------------------------------------------------------------------------------------------- ■第17期ピアスクール修了報告!  第17期ピアスクールは9月16日に修了式を迎え、12名が修了しました。 修了式の前の週の9月9日に、このピアスクールの最大の山場であるグループワークが行なわれ、受講生一人ひとりからピアスクールで印象に残った講義について感想の発表がありました。  このグループワークを中心に報告したいと思います。  初めに、知的障害者の立場からの講義を振り返りながら、聴衆として来ていただいたぴあふれんずの5人の方に、施設の入所体験を尋ねていきました。 「施設に行って、その施設の中の社会では自分が一人ではないと知ることができた。その意味で施設もマイナスイメージだけでは語れないのではないか。」との受講生の発表がありました。  次に障害児の親の立場からの講義について、3名の受講生が発表しました。 「地域で暮らすことが大切。課題として、特別支援教育や医療的ケアを理由に分けられてしまっているのではないか。社会の受け止めとして個性があり、配慮が必要な子という見方をすべき。」と発表しました。  在日外国人の人権では、発表者から、「在日外国人についてどう思いますか?」と聴衆に向けて問いかけがあり、無年金障害者問題についてのやりとりがありました。  被差別部落と子どもの人権では、プロジェクターを使った発表となりました。 「権利とは、人が安心して、自信をもって、自由に生きること。」「最近の、子を虐待する親のニュースを聞いて心が痛む。子育てをしていて、親が追い込まれていく。社会が一丸となって子育てに関わってほしい。」という発表がありました。 写真:プロジェクターを使って発表している風景  心病むときでは、ホワイトボードを使って、講義形式で発表がなされました。 「精神障害当事者講師の、幻聴が聞こえる、幻覚が見えるという話が勉強になりました。」 「ピアスクールの仲間に出会って、これからも続く何かの縁、大切にしていきたい。」という発表でした。  自立生活センターについてでは、講師の話を聞いて、「自立生活をしている人がたくさんいる。自分も見習ってやってみようと思います。」という発表がありました。  自立生活(お宅訪問)では、「自立生活は大変やろうと思ったけど、ご本人は大変と思っていなくて、障害のことを気に留めていませんでした。障害をもっていても悲観することなく改善策を考え、良くしようと思っているのを感じた。」という発表がありました。  情報が足らんがなでは、「聴覚障害の講師が手話を使ってコミュニケーションをとっているのを見て、手話が世界につながるんだ、自分も手話をしたいと思った。」「盲ろう者の講師がすごい苦労して、たくましく生きているのを感じた。」という発表がありました。  12名の受講生の発表を終えたあと、聴衆になってくれたぴあふれんずのメンバーから、「短期間に多くのことを学ばれたと思う、これからも頑張ってほしい。」というエールが送られて、グループワークを終えました。  第1期から第17期のピアスクール講座を開き、約255名の修了生を輩出しました。  修了生の中には、自立生活センターのスタッフを始め幅広い分野で活躍している人もおられます。    追伸   感想文集に関しましては、従来ニュースドリームに掲載しておりましたが、今回から別途修了文集として発行することにしましたのでご理解の程お願い申しあげます。 イラスト:賞状と筒 ふきだしコメント:修了おめでとう!  -------------------------------------------------------------------------------------------------- ■2011年度 上級手話講習会報告 イラスト:手話を表している女性    2006年度に初めて中級手話講習会を開催し、翌年度には上級手話講習会を開催しました。今年度で3クール目の上級手話講習会が無事終了しました。この間中級手話講習会で修了された方は79名、上級手話講習会で修了された方は61名おられました。  過去2回の上級手話講習会の修了生の方々には、ボランティア活動やピア大阪の講座・講習会などで手話通訳者として活動していただき、ご協力いただいております。  「なかなかろう者に通じる手話ができない!」と悩んでおられませんか? ろう者にわかりやすい手話表現、また、聞き取りやすい読み取りをするための学習を一緒にしませんか、と呼びかけをし、今回の上級手話講習会は6月9日から毎週木曜日全20回にわたり行われました。  講義中および、教室内でのコミュニケーションは全て手話のみ! という内容で、みなさん緊張した表情で講座はスタートしました。  カリキュラムの前半はろう者に通じる手話の基礎固めを行いました。後半は病院や役所など実際の通訳現場を想定したロールプレイ形式のものが多く、また、10人以上のろう者の講師に講義やディスカッションを行っていただき、実践的な内容となりました。  受講生からは、多くのろう者の方々の手話に触れられたことや、ロールプレイの中でろう者の方に実際に通訳をしてみて、どのように伝わっているのかがわかって良かった。また、ろう者の感想を直接聞くことができ、とても勉強になった等の声がありました。 写真1:開講式で、受講生が椅子に座り開講のあいさつを聞いている風景 写真2:講師の方が手話を表している様子 -------------------------------------------------------------------------------------------------- ■第3期知的障害者ピアカウンセリング講座報告 1日目 10月22日 9:00〜17:00 大阪市立早川福祉会館 2日目 10月29日 9:00〜17:00 アミティ舞洲 3日目 10月30日 9:00〜12:00 アミティ舞洲 4日目 11月 5日 9:00〜17:00 大阪市立早川福祉会館  知的障害者ピアカウンセリング講座の開催に先立って、支援者やご家族にどんな講座かを知っていただくための「公開ピアカン講座」を7月30日(土)18:00から大阪市立早川福祉会館にて実施しました。当事者2名、支援者6名が、公開講座に参加しました。  その後、男性3名・女性3名の計6名の受講生が決定しました。  カリキュラムは、「自己紹介」・「仲良くする時間」・「ピアカウンセリングってなに?」・「きもちをききあう時間」・「自立生活の話をきこう」等でした。  受講2日目アミティ舞洲においては、講座終了後、受講生・リーダー・サポーター・スタッフで交流会を開きました。  カラオケで受講生全員が元気一杯歌って、受講生同士の仲がより深くなりました。  4日目の11月5日に、6名全員に修了証書を授与し講座を終了しました。  終了後、受講生から「参加して良かった。」「今まで嫌いな人と話すのは嫌だと思っていたけど、避けずに聞くことが大切なんやとわかりました。」等の感想がありました。  2009年度より始めて今年度で3回目となる講座ですが、これまでにのべ19名の修了者を輩出しました。 写真:アミティ舞洲の外観 ふきだしコメント:2日目・3日目の講座が行われたアミティ舞洲 -------------------------------------------------------------------------------------------------- ■つぶやきコーナー  障害のある人が日々生活する中で、ふとこんなことを考えたというような生活に根ざした記事に社会のありようが反映されるのではないかというねらいで始まったこのコーナー。今回登場していただくのは森 実恵(もり・みえ)さんです。 イラスト:パンジーの花  みなさん、こんにちは、2007年11月発行の第17号で「私にとっての障害受容」という記事を書かせて頂いたピア大阪ピアカウンセラーの森 実恵(もり・みえ)です。  今、一週間、どんな生活を過ごしているか、ご報告したいと思います。  原則的に日曜日と月曜日は休みのことが多いです。月曜日は月に一回、ある精神科病院の患者会に参加していますが、他の日は大体家にいます。  図書館に行って、本を借りてきて、自宅で読書をしたり、一週間分のたまった家事を片づけます。といっても、精神の病気があるので、掃除、片付けなどがなかなか上手にできません。根気と集中力が続かないのです。10分ぐらい掃除をすると、すぐに疲れてしまって、お茶を飲んだりします。休みながら、ちょこちょこ家事をしているので、家事はたまっていく一方です。料理は好きで、夕食は一時間ぐらいかけて、きちんと一汁三菜を作っています。  火曜日は職業訓練機関での講義をしに出かけます。障がい者の方が就労に向けて、研修されているところです。自分の内側から回復していく力、エンパワーメント(注1)を強化するための授業です。自己肯定感を高めていただき、できるだけ前向きにポジティブに色々なことを考えていくことができるよう、お手伝いさせていただいています。講義のレジメは私の好きな勝間 和代(かつま・かずよ)さんや本田 健(ほんだ・けん)さんなど自己啓発本の中から、抜粋して作ることが多いのですが、ネタはすぐに尽きてしまうので、次々、新しい本を読んでいきます。ちなみに一か月に読む本は20−30冊、速読を我流でマスターしているので、なんとかこなしています。  水曜日は休みのことが多いですが、月に一度、精神の地域活動支援センターでのミーティングに参加しています。平日に講演依頼があるときには、水曜日に講演を入れることが多いです。  木曜日はある精神科病院でのお話会や女性グループに参加し、患者さんたちと雑談したり、生け花を楽しんだりします。  金曜日はピア大阪でピアカウンセラーの仕事をしています。この仕事は色々な人と接することができ、クライアント(注2)さんの世界に深く関わることができる有意義な活動だと思います。自分の知らない世界を知ることができ、自分の世界が広がるといえばよいでしょうか。自分自身の成長のための滋養強壮のようなお仕事です。  一週間のすきま時間に原稿執筆もします。京都福祉新聞に月に一度、エッセーを連載しています。今までに『心を乗っとられて』潮文社(ちょうぶんしゃ)、『心の病をくぐりぬけて』岩波ブックレット、『なんとかなるよ統合失調症』解放出版社の三冊の本を上梓(注3)しました。  そして、四冊目の本として、小説「光の華」と京都福祉新聞のエッセーをまとめたもの、『悲しい?楽しい!精神病』(仮題)が明石書店から近日刊行の予定です。また、半生記『なんとかなるよ統合失調症』の続編も5冊目の本として出版できればいいなと考えています。  文筆業はたいした収入にはならないけれど、自分自身のしんどさを浄化するための“心の洗濯”になっています。人生は神様からのたった一回きりの招待旅行です。悔いのないよう、好きなことを究めていければと思います。  そして、誰も歩いたことのない道を歩き、道のないところに自分の足跡を残せたらいいなと考えています。 (注1) 社会的な抑圧などにより、その人の本来備わっている力が発揮されない状態から解放され自分らしく生きること。 (注2) 相談者 (注3) 書物を出版すること。 -------------------------------------------------------------------------------------------------- ■編集後記 ★『ピア大阪ニュースドリーム』36号をお届けします。今年も残すところあとわずかになりました。みなさまにとってどんな一年でしたか? 新しい年が良い年でありますように! どうか、風邪や体調の変化に気をつけてお過ごしください。 ★『ピア大阪ニュースドリーム』の入手を希望される方は、お気軽にピア大阪までご連絡ください。点字版・テープ版・テキスト版も作成しています。ピア大阪のホームページでもご覧になれます。(Y・N) 2011年12月15日 -------------------------------------------------------------------------------------------------- 社会福祉法人 大阪市障害者福祉・スポーツ協会 自立生活支援センター ・ ピア大阪 〒546-0033 大阪市東住吉区南田辺1-9-28 大阪市立早川福祉会館内 電話 06-6622-1180  FAX 06-6622-0423   ホームページ http://www.fukspo.org/peerosk/ 年間購読料500円 --------------------------------------------------------------------------------------------------