読売新聞大阪本社版の朝刊に、
『ピア大阪サマースクール」
についての記事が掲載されました
| 障害児のエンパワメントを目的とした「ピア大阪サマースクール」の取り組みの様子が読売新聞に取り上げられました。 この記事を担当された読売新聞記者の森川さんには何度もピア大阪に足を運んでいただき、子どもたちやスタッフに取材をしていただきました。 |
地域で自立 料理から 障害児 意思を伝える「教材」 自立した障害者をモデルにした、障害児の自立支援教育が大阪市内で始まった。子供たちが将来、自立生活できるようにするのが目的だ。障害児教育の新たな試みとして注目されそうだ。 第1期ピア大阪サマースクールが大阪市東住吉区の早川福祉会館で今月開かれた。「自立生活支援センター・ピア大阪」が、障害児を対象に企画したもので、テーマは「お料理体験の巻」。11〜19歳の6人が参加した。 サマースクールは計4回。自立した障害者の暮らしぶりをビデオで見たり、障害者から話を聞いたりするのをはじめ、料理体験を通して自立を学んだ。子供たちは、何を食べたいのかを自分たちで決め、作るにはいくらかかるのかなどをスーパーに出向いて値段を調べ、介助者に指示しながら調理する。今回はカレーライス作りに挑戦した。 スクールを企画して講師も務めたピア大阪事務局長で、自らも障害がある西留一浩さんは「障害のある子供たちは、自立生活している大人の障害者と知り合うことがなく、自立のイメージが持てない。そんな子供たちに、重い障害があっても地域で自立生活が将来できるということを知ってもらいたい」と話す。 子供たちにとって料理は効果的な教材だ。自分で肉や野菜が切れなくても、介助者にきちんと意思を伝え、サポートしてもらう。それも立派な自立ということを伝えるのがスクールの狙いだ。西留さんは「自分のことは自分でしなければ、というのがこれまでの自立観だったけれど、介助者の手を借りることがあっても自立と言えるのです」と強調する。参加者の阿曽沼亨さん(13)(大阪市)の母、裕子さん(41)は「将来は施設ではなく地域で生活してほしい。そのためには家族以外の介護でも受けられるようにしたい」とスクールに期待する。 神戸から参加した三崎隆広さん(16)も将来は自立して暮らしたいと考えている。「毎日寝る時間、起きる時間が決められる施設は嫌」という。これまで家族の介助を受けていたが、最近、外出を介助するガイドヘルパーと契約した。「買い物から始めたい」 障害者自身が障害者の自立を支援する「自立生活センター」は1980年代から各地に登場し、現在、全国自立生活センター協議会に加盟している団体は127ある。しかし子供を対象にしたプログラムは少ないといい、「ピア大阪」の試みが全国に広がることが期待される。 障害児福祉に詳しい大阪体育大学健康福祉学部の大谷悟助教授は「自立している大人の障害者と触れ合うことで、もっと意見を言っていいということを学んでほしい。学校の教員は障害者の地域での生活を知らないことが多く、こうした試みが担えるのは地域の自立生活センターだ」と話している。 (森川明義) 読売新聞大阪本社版朝刊 八月二十九日掲載 新聞記事 |